10年前は飼育されているワンちゃんの方がネコちゃんより圧倒的な多さでしたが、最近では、両者のそれはほぼ互角、もしくはネコちゃんの方が多いとする統計も出てきました。
ネコちゃんがより多くの方々に可愛がられるようになったためと思われます。ネコちゃんの方が少し長生きですしね。ですから17歳、18歳のネコちゃんも多くいらっしゃいます。
長く一緒にいるとそれだけ、愛着がわき「1日でも一緒にいたい」と言われる方が増えています。
しかし私どもの病院では、ネコちゃんの死亡原因の約半数が腎臓病です。ですから、腎臓病をうまく管理することで、長く一緒にいられると考えております。
腎臓病というと、その原因を明らかにすることはとても大切ですが(例えば最近尿管結石が多くなりました)いかに多くの治療のパタ-ンをご呈示するかが重要ではないかと考えております。
というのは、腎臓病の治療というと、「まず腎臓食(低たんぱく食)を食べて下さい」というおきまりのパタ-ンがあるからです。しかしながらこの腎臓食を食べてくれない子が多く、治療は行き詰まってしまうのです。腎臓食を食べるに越したことはありませんが、他の方法も模索するべきです。一般に腎臓を悪化させない大事な点を以下に記したいと思います。
・血中のリン濃度を上げないこと(一番大事)
・尿中の蛋白含量を減らすこと
・体重を減少させない
・血圧を正常化させる
・貧血にしない
・生体を酸化させない
等が挙げられます。