東京都稲城市のどうぶつ病院 シンドウ動物病院

ANIMAL HOSPITAL SHINDOH シンドウ動物病院

久しぶりの投稿です

実に久しぶりの投稿です。忙しさにかまけてサボっていました。申し訳ありません。
情報発信源として、続けられるよう努力いたします。

当院は獣医腫瘍認定医ということもあり、腫瘍に関連した記事を掲載しようと思います。
今回はワンちゃんの口の中のガンについてです(口腔内腫瘍といいます)。普段、口の中までは見ないことが多いのではないでしょうか?口腔内腫瘍ははいつの間にか大きくなっていることが多いものです。それに加え、ほとんどが悪性と考えられています。代表的な腫瘍は以下のものがあります。(歯肉腫を除く)

1.悪性黒色腫(メラノ-マとも言います)
 約40%はこの腫瘍で、黒色をしたシコリとして気づくことが多いです。しかし中には黒くないものもあり油断できません。発見時、非常にシコリが小さければ治ることも可能ですが、2センチ以上に大きくなれば
リンパ節や肺に転移していることも少なくありません。対症療法では2ヶ月位の余命(短い余命と長い余命の子の差は大きく、真ん中が2ヶ月位)と考えられています。最終的な状態は口の中の腫瘍がぐちゃぐちゃになり、食べられなくなったり、肺の転移から肺炎や胸水が貯まり、呼吸できなくなることが多いです。

2.扁平上皮癌
 2番目に多く、歯肉や上顎などの粘膜から発生します。たまに舌やのど奥の扁桃からも発生します。(こちらの方がたちが悪いです)。歯肉と同じピンク色をしていて、周囲の組織にガッチリくっついて
 しまいますが、メラノ-マのような転移率は高くありません。口の痛みやよだれで食べることが困難になります。

3.線維肉腫
 口腔の線維細胞ががん化して大きくなるのが特徴ですが、比較的若いワンちゃんに多発します。発症平均年齢は7歳という報告もあります。大きくなる傾向があり、よだれや痛み、飲み込み困難等の症状が出ます。

口腔内腫瘍は血液検査では診断できません。普段より口の中までよく見てあげる必要があります。